腰部脊柱管狭窄症に効く漢方
腰部脊柱管狭窄症
腰部脊柱管狭窄症とは、以下の症状を伴う病気です。
・中高年に多く見られる
・排尿、排便障害がおこることもある
・症状が進行すると仰向けに寝ていてもしびれがおこる
・腰椎や椎間板が圧迫されて、足に痛みやしびれがおきる
・背筋を伸ばして立つと、下肢のしびれや足のもつれがおき、休むとまた歩ける『間欠性跛行』の症状が出る

八味地黄丸
八味地黄丸を用いる人の『証』は『裏・寒・虚』です。
腎陽虚に効く漢方薬で、腎の陽気を補うので、別名『腎気丸』とも言います。
『証』とは西洋医学におけるところの『病名』を指します。
(『証』について詳しくはこちら)
八味地黄丸を構成する生薬
八味地黄丸を構成する生薬を詳しく説明すると
熟地黄・・・裏・寒・虚
山茱萸・・・裏・寒・虚
加工附子・・裏・寒・虚
山薬・・・・裏・ ・虚
沢瀉・・・・裏・熱
茯苓・・・・裏・ ・虚
牡丹皮・・・裏・熱
桂皮・・・・表・寒・虚
となります。
八味地黄丸は
『腰から下の脱力感、冷え、軽いむくみ、しびれ(裏寒証)
体力が衰えて足腰が冷える中年以降の人(虚証)』
に用います。
牡丹皮は血行を促進します。
熟地黄、山薬、沢瀉は血糖を下げる効果があります。
沢瀉、茯苓は利水作用があり、余分な水分を調整します。
附子は代謝亢進、自律神経系の興奮作用、強心、循環促進作用があります。
熟地黄、山茱萸、山薬は衰えた体力を補強し、潤性という乾燥した状態を改善します。
胃腸が弱い人、下痢ぎみの人には使用できません。
その他、八味地黄丸に効く症状
・不妊
・精力減退
・口内の乾燥
・前立腺肥大症
・レイノー症状
・小児発育不良
・インポテンツ
・虚弱体質の改善
・視力、聴覚障害
・慢性呼吸器症状
・糖尿病による脱力感
・下半身の冷え、足底のほてり
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六味地黄丸
『虚証』(衰弱している)の人向きの漢方
『八味地黄丸』は『胃腸虚弱』や『下痢気味』の人には用いてはいけません。
その場合は『附子、桂皮』が入っていない『六味地黄丸』を処方します。
六味地黄丸は、小児の夜尿症にも用いられます。
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牛車腎気丸
『八味地黄丸』に『牛膝、車前子』を加えたものを『牛車腎気丸』といいます。
牛車腎気丸を用いる人の『証』は『裏・寒・虚』です。
『証』とは西洋医学におけるところの『病名』を指します。
(『証』について詳しくはこちら)
牛膝は膝の痛み、瘀血に効果があります。
牛車腎気丸の適用
・口渇
・耳鳴り
・インポテンツ
・手足のほてり
・足のしびれ、むくみ
・プロスタグランジンE1という薬を投与できない人
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どれ選べばよいのかわからない場合
六味丸
夜中にトイレに起きたり、疲れやすい人、腎機能を高めて若々しくありたい人
・血糖降下
・滋養強壮作用
・余分な水分を排泄する
八味地黄丸
六味丸に附子、桂皮を加えたもの
・トイレが近く、頻尿・残尿感のある人
牛車腎気丸
八味地黄丸に牛膝、車前子を加えたもの
・下肢がむくみやすく、腰痛がある人