風邪には○○が効く!

2022年11月5日

結論からいいますと
風邪の初期には『麻黄湯』が効きます。

葛根湯を用いる人の『証』

風邪に『葛根湯(かっこんとう)』というのはよく耳にしますが、
葛根湯を用いる人の『証』は『表・寒・実』です。
葛根湯は風邪の初期に首から肩にかけて痛む人に効果的です。

『証』とは西洋医学におけるところの『病名』を指します。
(『証』について詳しくはこちら)

葛根湯を構成する生薬

葛根湯を構成する生薬を詳しく説明すると

葛根・・・表裏(中間)・熱・虚
麻黄・・・表・寒・実
桂皮・・・表・寒・虚
芍薬・・・裏・熱・
甘草・・・・ ・虚
生姜・・・裏・・虚
大棗・・・裏・・虚

葛根湯は
『頭痛、発熱があり(証)、
首から背にかけてこわばり寒気(証)がする症状で、
自然発汗がなく、肌が健康な時のようにさらっとしている(証)』
人に適応します。

そして、それに当てはまる生薬は『麻黄』のみとなります。

麻黄湯を構成する生薬

そこで、麻黄湯を構成する生薬を詳しく見てみると

麻黄・・・表・寒・実
杏仁・・・表・寒・実
桂皮・・・表・寒・虚
甘草・・・・ ・虚

となります。
麻黄湯は
『頭痛、発熱があり(証)、
ふしぶしが痛み、寒気がして(証)、
咳が出るが肌はさらりとしてほとんど健康状態(証)』
の人に適応します。

麻黄と桂皮は発汗・発熱・利尿作用があり、
杏仁は痰を溶かして、麻黄の鎮咳効果を補助します。

インフルエンザを対象とした調査

麻黄湯は、風邪の初期やインフルエンザに効果的です。

実際に子供のインフルエンザを対象とした調査で、

①麻黄湯のみを処方した群
②麻黄湯とタミフルを併用した群
③タミフルのみを使用した群

で効果の比較をしたところ、
①②③の順番で効果があったそうです。

このことからタミフルで症状を抑えつけるより、
漢方薬で自然治癒力を活性化したほうがいい
ということが分かりました。

『虚証』(衰弱している)の人向きの漢方

しかし、麻黄湯は『実証』(体力のある)の人向きの漢方薬のため、
証』(衰弱している)の人には
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)』が効果的です。

麻黄附子細辛湯を構成する生薬

麻黄附子細辛湯は

麻黄・・・・・・・表・寒・実
(加工)附子・・・裏・寒
細辛・・・・・・・裏・寒・実

から構成され、体を温め血行を促進する効果のある
附子、細辛が配合されています。



風邪

Posted by masashi